ポゴピンの接触不良を解消するプローブピンセーバー
半導体検査における接触不良は、正確なテストが行えず製品の品質保証において大きな問題となります。UPTでは、ポゴピン(プローブピン)の接触不良に対し、当社開発製品であるUHSS®をプローブピンとBGA半田ボールの間にプローブピンセーバーとして配置することで、接触の安定性を大幅に向上させることに成功しました。
ポゴピンの接触不良が起こる原因
半導体検査におけるポゴピンの接触不良の主な原因には、汚れや酸化物の付着によるコンタミネーション、繰り返し使用によるピンの摩耗やスプリングの疲労、ピンの位置ずれ、環境条件の影響、表面の酸化や腐食、接触圧不足などが挙げられます。これらが原因で、ポゴピンとチップ間の電気的接触が不安定となり、正確な検査結果が得られない場合があります。特に、繊細な半導体検査においては、微小な接触不良が重大な誤差を引き起こすため、定期的なメンテナンスと適切な環境管理、ポゴピンの正確な取り扱いが不可欠です。
活用事例|BGA半田ボールセーバー(テストプローブピン)
プローブピンの高加重によるBGA半田ボールに傷・凹みの発生し、接触性が不安定になってしまった課題をプローブピンセーバーにより解決した事例をご紹介します。
【お客様の課題】
半導体ICファイナルテストにおいて、従来のテストプローブピン(ポゴピンなど)の高加重により、以下の問題が発生していました。
・BGA半田ボールへの傷
・凹みの発生
・半田のプローブピンへの不要な転写
【UPTの提案と解決策】
UHSS®をプローブピンセーバーとして製造し、プローブピンとBGA半田ボールの間に配置しました。結果として、プローブピンの接触の安定性を確保するとともに、ソケットの長寿命化も実現しました。
異方性導電シート:UHSS®(Union High Speed Sheet)の紹介
UHSS®は、特殊な繊維を編み込み、両⾯を貫通するめっきを施した異⽅性導電シートです。この製品の特徴は、折り曲げても導通を維持する柔軟性、⾼度なカスタマイズ性、そして100GHzまたは200Gbpsに対応可能な⾼速信号特性が挙げられます。必要な通電荷重は1N/㎟と低く、さらに5万回の使⽤に耐える⾼耐久性を備えています。(当社調べ)