半導体テストの高周波測定では、導電ゴムによる接触不安定やインピーダンス不整合が課題となり、特に10GHz以上で測定精度が不安定になることがあります。その問題を解決するために、導電ゴムと基板の間に当社製品「UHSS®」を挟むことで、測定精度向上を実現した事例をご紹介します。

導電ゴムの影響を軽減し高周波測定精度を向上させる導電シート

半導体テストにおける高周波測定では、導電ゴムを用いた接続部でのインピーダンス不整合や接触抵抗の変動が問題となります。特に10GHz以上の帯域では、導電ゴムの柔軟性による接触面の不安定さや微細なギャップが反射や損失を引き起こし、測定再現性や信号の整合性に悪影響を及ぼします。

高周波測定における導電ゴムの接触不安定を改善する手法として、基板と導電ゴムの間に導電シートを介在させる方法があります。導電シートは接触面を均一化し、インピーダンスの整合性を確保することで、反射や損失を抑制します。これにより、10GHz以上の高周波試験でも測定誤差を低減し、所定の精度で安定した評価が可能となります。

当社製品「UHSS®」を導電シートとして活用

半導体テストで導電ゴムと基板の間に当社製品「UHSS®」を導電シートとして挟むことで、高周波測定の精度が安定。加えて導電ゴム交換時のセットアップが省略され、作業効率が向上し、結果としてコスト削減にもつながった事例をご紹介します。

お客様が抱えていた課題

半導体テストにおいて、基板と測定対象を接続する導電ゴムと治具となるソケットを使い測定を行っていたが、以下の課題が生じていた。
・高周波測定の精度が不安定だった
・測定精度を高めるためのセットアップに多くの時間を要していた

UPTの提案と解決策

導電ゴムと基板との間に当社製品「UHSS®」を導電シートとして挟む形でテストを行った結果、高周波測定の精度を安定化させるとともに、導電ゴム交換時におけるセットアップを省略することができ、コスト削減につながった。

異方性導電シート:UHSS®(Union High Speed Sheet)の紹介

UHSS®は、特殊な繊維を編み込み、両⾯を貫通するめっきを施した異⽅性導電シートです。この製品の特徴は、折り曲げても導通を維持する柔軟性、⾼度なカスタマイズ性、そして100GHzまたは200Gbpsに対応可能な⾼速信号特性が挙げられます。必要な通電荷重は1N/㎟と低く、さらに5万回の使⽤に耐える⾼耐久性を備えています。(当社調べ)