スピーカーコーンは、スピーカーの振動板において音を生み出す重要部品で、音質や全体的な性能に決定的な役割を果たします。UPTは、この極めて繊細な部品の製造に挑戦し、難加工材として知られるマグネシウムを用いて、精密な穴径と高度な加工精度を実現しました。

スピーカーコーンとは

金属製のスピーカーコーンは、アルミニウムやチタンなどの軽量で剛性の高い金属素材を使用して作られます。このタイプのコーンは、高い剛性により振動時の変形が少なく、音の精度や解像度を向上させる特徴があります。そのため、特に高音域や中音域でのクリアで精細な音を再現することが可能です。
製造時における難しさには以下のような点が挙げられます。

■加工精度の確保

金属は硬度が高く、精密な形状に加工するのが難しいです。わずかな歪みや厚みの変動でも音質に大きく影響を与えるため、非常に高精度な加工が求められます。

材料の選定と薄さの調整

軽量化を図りながら強度を保つために、材料の選定や厚みの調整が重要です。特に薄い金属板を用いる場合、加工時に割れやすくなるため、高度な技術が必要です。

共振の抑制

金属製コーンは共振しやすい特性があり、不要な音の歪みやノイズが生じる可能性があります。そのため、共振を抑えるための設計や表面処理などの工夫が求められます。


これらの技術的な課題を克服することで、高性能かつ高品質な金属製スピーカーコーンが生産されます。

製造事例:金属製スピーカーコーン

マグネシウムは、軽量で高剛性かつ適度な内部損失を持つ理想的な振動板素材です。この特性により、ウーハーとツイーターに採用することで、全帯域で癖のない高品質な音響再生が可能になります。スピーカーの音質は振動板素材に大きく依存し、中低域では剛性と内部損失のバランスが重要で、高音域では高剛性が求められるため、マグネシウムが最適な選択とされています。
スピーカーコーンは非常にデリケートな製品です。穴の大きさ、加工精度、難削材であるマグネシウムの軽さが音質に影響を与えます。自動運転の実現が、車内空間の過ごし方を大きく変えます。音にこだわった過ごし方も車内空間のラグジュアリーな楽しみ方の1つです。UPTの技術は、変貌する車中のエンターテイメントにも寄与していきます。

材料:マグネシウム
厚み:0.5mm
穴径:0.5mm以上
納期:1週間(試作)
加工方法:フォトエッチング

UPTの製造技術

UPTでは、要素技術であるフォトエッチング技術と拡散接合技術を組み合わせてさまざまな製品を開発・製造しています。2つの技術を組み合わせることで、他⼯法と⽐べ⾃由なデザイン設計が可能となり、より優れた放熱性能が実現できます。

フォトエッチング技術

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フォトエッチング技術は、エッチング液を使⽤して⾦属を化学反応・腐⾷させ、薄板⾦属の精密加⼯を可能にします。

拡散接合技術

拡散接合技術は、⾦属表⾯同⼠を原⼦レベルで接合し、内部が3D構造の⾦属パーツを⽣成します。