精密機器の軸受けや回転機構周りで発⽣する公差や累積誤差の調整が可能に

精密機器の組み⽴てにおいて、部品間の微細な隙間調整は⽋かせません。軸受けや回転機構の周りで発⽣する公差や累積誤差をミクロン単位で吸収するためには、⾼精度な「シムリング」が不可⽋です

シムリングとは

シムリングとは、精密機器の調整や公差吸収のために使⽤される極薄の⾦属リングのことで、その名の通り、”shim(くさび)”を”ring(リング状に)”したものです。
シムリングは、機械部品の間に挟み込むことで、わずかな隙間を調整したり、部品間の位置を微調整したりできます。
例えば、軸受けや回転機構を構成する部品間の累積誤差を吸収しスム―ズな動作を実現するために使われます。
シムリングの厚みは0.01mmから0.1mm程度の極薄板が⼀般的で、材質はステンレス、銅、真鍮、鉄、アルミなど⽤途に応じてさまざまな⾦属が使⽤されます。このように、シムリングは⾮常に薄く精密な調整が可能であるため、⾼精度な機械装置や精密機器において⽋かせない部品です。

UPTのシムリング カスタムオーダー対応

UPTでは、精密機械の微調整の課題を解決すべく、コア技術のフォトエッチング技術とさまざまな表⾯処理との組み合わせにより、板厚精度が⾼いシムリングの特注やカスタムオーダーの対応を⾏っております。

フォトエッチング技術による高精度な仕上がり

フォトエッチング加⼯技術は⺟材に物理的ストレスを与えないため、シムリングの材質特性を損なうことなく、⾼精度な仕上がりを実現できます。さらに、複雑な形状にも対応可能で、微細な調整が求められるシムリングの製造に最適な加⼯⽅法です。

板厚と材質の組み合わせや表面処理にも対応

UPTでは、最薄0.004mm~の薄板加⼯に対応できます。特殊な材質の組み合わせ、さらには黒⾊処理など、お客様のさまざまな要望にお応えします。「こんな仕様が必要だが作れるだろうか?」と思ったときには、ぜひ当社へご相談ください。当社はフォトエッチング加工から表⾯処理までワンストップサービスで提供していますので、短納期で対応が可能です。特殊素材、難削材の加⼯、⼩ロット、多品種の⽣産もお任せください。

豊富な材料在庫

豊富な材料在庫から最適な材料・板厚を選定可能です。材料は、ステンレス・銅・真鍮・鉄・アルミと様々な材料から選定可能です。ステンレスに関しては、0.005mm刻みで材料を保有しています。チタンやマグネシウムなども対応可能です。

シムリングの使い方や用途

シムリングは、機械部品の間に挟み込むことで、わずかな隙間を調整したり、部品間の位置を微調整したりするための部品です。具体的な事例をいくつか紹介します。

軸受けや回転機構

軸受けや回転機構を構成する部品間の累積誤差を吸収し、スムーズな動作を実現するために使⽤されます。機械部品の間にシムリングを挟み込むことで、わずかな隙間を調整したり、部品間の位置を微調整したりできます。

計測機器

⾼精度な計測機器では、各部品の位置決めが極めて重要です。シムリングを使うことで部品間の隙間や位置をミクロン単位で調整し、計測精度を確保できます。

光学機器

光学機器では、レンズや反射鏡の位置調整にシムリングが活⽤されます。シムリングを使うことで光路の微細な調整が可能になり、光学性能を最適化できます。

類似製品(ワッシャー)や他⼯法(プレスやレーザー加⼯)との⽐較

類似品「ワッシャー」との比較

シムリングは、ワッシャーと⽐べてはるかに薄い板厚 で、ミクロン単位の極めて精密な調整が可能です。微細な隙間の調整や部品間の位置を微調整する必要がある場合に、シムリングは⼤変有効な部品となります。
さらに、シムリングは特定の⽤途に合わせてカスタマイズされることが多く、最適な材質や形状を選択できるのが⼤きな利点です。
⼀⽅で、ワッシャーは⼀般的に標準サイズと形状が決 まっており、⾃由度は⾼くありません。⾼い精度や特殊な要件が求められる⽤途では、柔軟性に⽋けることがあります。

他加工法(プレスやレーザー)との比較

フォトエッチング技術で製造されるシムリングは、プレス加⼯やレーザー加⼯といった他の⼯法に⽐べて、⾼精度な製造が可能で、複雑な形状や微細なディテールも正確に再現できます。これにより、特定の⽤途に合わせたカスタムデザインが実現しやすくなります。
また、フォトエッチング技術は素材に対する物理的なストレスが少なく、⾦属の特性を保持しやすい特徴があります。薄い素材や⾮常に⼩さい部品の製造にも適しており、精密なシムリングを⼤量に⽣産する際に効果的です。
フォトエッチング技術の特⻑を⽣かすことで、お客様のさまざまな要件に対応した⾼精度なカスタムシムリングを、コストを抑えながら提供することができます。

シムリングの活用事例

UPTでは、これまでに精密機器の軸受けや回転機構周りで発⽣する累積誤差の問題を解決してまいりました。ここでは活用事例の⼀部をご紹介します。

活⽤事例  カメラ⽤光学⽤シムリング(素材:SUS304+黒染め処理  板厚:0.01mm)

【お客様が抱えていた課題】
これまでは、シムリングの製作から表⾯処理まで⼀貫で対応できず、発注先が複数社にまたがり、管理が煩雑になっていました。
【UPTの提案内容】
UPTはフォトエッチング加⼯から黒染め処理まで⼀貫対応を実施し、お客様のリードタイムの短縮を実現しました。さらにシムリングを⼀つずつ黒染め処理するのではなく、シート単位で黒染め処理を⾏えるためコストを⼤きく抑えることに成功しました。