高い熱伝導性と軽量性を両立し、コストメリットを備えたコールドプレート
アルミニウム製コールドプレートは、熱伝導性、軽量性、コストのバランスに優れており、さまざまな産業用途で広く使用されています。
アルミニウムの熱伝導率(約205 W/m・K)は銅より低いものの、最適化された流路設計により十分な冷却性能を確保できます。
また、優れた加工性を有しているため、デバイスの発熱分布に合わせた複雑な流路設計が可能です。密度は銅のおよそ3分の1であり、装置全体の軽量化にも貢献します。
また、材料コストおよび加工コストが比較的低いため、量産用途にも適しています。
耐食性アルミニウム合金の使用やアルマイト処理と組み合わせることで、幅広い環境下において安定かつ信頼性の高い性能を発揮します。

他金属素材(銅・ステンレス製コールドプレート)との比較
適切なコールドプレート材料を選定するには、熱伝導率、重量、耐食性、コストといった要素を総合的に考慮する必要があります。
アルミニウムはこれらの要素をバランスよく兼ね備えており、幅広い用途に適した材料といえます。
銅は、約385W/m・Kという非常に高い熱伝導率を有しており、最大限の冷却性能が求められる高出力デバイスに最適です。
一方、ステンレス鋼は熱伝導率こそ低いものの、高い強度と優れた耐薬品性を備えているため、過酷な環境下や特殊な流体を扱う環境に適しています。
このような特性を比較表として整理することで、用途ごとに最適な材料選定が可能になります。
| 項目 | アルミニウム | 銅 | ステンレス |
|---|---|---|---|
| 熱伝導率(W/m·K) | ~205 | ~385 | ~15 |
| 密度 (g/cm³) | 2.7 | 8.96 | 7.9 |
| 加工性 | 非常に良好 | 中程度〜難 | 中程度 |
| 耐食性 | 良好(アルマイト処理で向上) | 中程度(表面処理が必要) | 非常に優れる |
| コスト | 低 | 高 | 中〜高 |
| 重量 | 軽量 | 重い | 比較的重い |
| 主な用途 | 一般電子機器、自動車、通信機器 | 高出力冷却、半導体製造装置 | 化学環境、高強度用途 |
コールドプレート製作におけるUPTのコア技術
UPTでは、要素技術であるエッチング技術と拡散接合技術を組み合わせて開発したコールドプレートを製造販売しています。拡散接合技術とフォトエッチング技術を組み合わせることで、他⼯法と⽐べ、⾃由なデザイン設計が可能となり、より優れた放熱性能が’実現できます。フォトエッチング技術は、エッチング液を使⽤して⾦属を化学反応・腐⾷させ、薄板⾦属の精密加⼯を可能にします。これにより、複雑な流路構造を形成し、コールドプレートに流す冷媒により熱伝達性能を向上させます。拡散接合技術は、⾦属表⾯同⼠を原⼦レベルで接合し、内部が3D構造の⾦属パーツを⽣成します。この技術により、コールドプレートの流路構造を3次元的に複雑にできるとともに、隙間のない接合⾯が理想的な熱伝導性を実現します。これらの先進技術が組み合わさることで、⾼い冷却性能を持つコールドプレートを作り出すことができます。
- 切削加⼯などの⼯法では不可能な、複雑流路、中空構造形成が可能
- ロー付けや接着剤を使わない接合技術のため、部品の変質・変形に強い構造体を実現
- 原⼦間結合レベルの拡散接合技術により、隙間のない接合⾯が理想的な放熱効果を実現


コールドプレートの活用事例
UPTでは、これまでにさまざまな分野における電⼦機器の熱問題を解決してまいりました。活⽤事例の⼀部をご紹介します。
事例:ロボット向けコールドプレート
【お客様が抱えていた課題】
ロボットは常に稼働・移動するため、軽量なアルミニウム製コールドプレートが求められていました。
しかし、従来採用していた空冷方式では冷却性能が不足し、ロボットが頻繁に過熱しては冷却のために停止せざるを得ない状況が発生していました。
【UPTの提案内容】
UPTのコールドプレートを導入することで、十分な冷却性能を確保し、冷却のためのダウンタイムを解消。その結果、ロボットの安定した連続稼働が可能となりました。

アルミニウム製コールドプレートの特注設計・製造ならUPTへお任せください
UPTではコールドプレートの特注設計・製造に対応しています。既存の⽅法では、放熱能⼒が不⾜している、設計⾃由度が低く製品にうまく組み込むことができない、といった課題を抱えている⽅はぜひ⼀度ご相談ください。
