薄板マグネシウム加工の「複雑形状」「バリなし」「短納期」を実現

フォトエッチング加工は、薄板マグネシウムに対して「複雑形状」「バリなし」「短納期」を実現する加工法です。レーザーやプレスで課題となる燃焼リスクや割れの心配もなく、数十μm単位の薄板でも安定した寸法精度を確保できます。
UPTは最薄0.004mmからの加工実績に加え、材料調達から表面処理まで一貫対応できる体制を整えており、試作から量産まで高品質・低コストでご提供します。マグネシウム部品の微細加工をご検討の際はぜひご相談ください。

マグネシウムの特徴

マグネシウムは比重が約 1.7 と、実用金属中で最も軽い材料であり、アルミニウムや鉄などに比して軽量化が図れる点が最大の利点です。加えて、比強度や比剛性においても優秀で、同等の強度を維持しつつ軽さを活かす設計が可能です。
振動吸収性にも優れ、衝撃下で生じるくぼみがアルミや鉄より小さいという特性も持ち合わせています。
また、熱膨張などによる寸法変化が比較的小さく、150 ℃で 100 時間加熱しても変形がわずか 6×10⁻⁶ 程度という点も注目されます。 熱伝導性もプラスチック材料を大きく上回り、軽量構造ながら一定の熱拡散性を確保できます。

さらに、自然環境下での分解性・環境負荷の低さも利点とされ、水や薄い酸中で溶解する性質を持ち、「海から生まれ、海に還る」素材として環境配慮型の材料として評価されています。

エッチング加工のメリット|他工法との比較

マグネシウムは軽量かつ高強度な一方、燃焼性や割れやすさから加工が難しい素材です。フォトエッチングは物理的負荷や熱影響を与えないため、安全かつ高精度に微細形状を形成できます。バリや歪みのない加工が可能で、試作から中量産まで対応可能。従来工法の課題を解決し、マグネシウムの特性を最大限に活かした部品づくりを実現します。

評価項目フォトエッチングレーザー金型プレス
適用板厚◎ 薄板(0.01~0.3mm程度)に最適○ ~1mm程度まで対応可能△ 薄板対応は可能だが反りや割れに注意
複雑形状◎ 微細形状や自由度の高い設計に対応○ ある程度可能だが極小形状は限界あり△ 金型制約が大きく複雑形状は不向き
バリ・熱影響◎ バリなし・熱影響なし△ 熱影響層や酸化膜が発生△ バリ・割れが発生
初期費用○ 版代のみ、低コスト◎ 不要△ 金型費用が高額
量産適正○ 試作~中量産に適する△ 小ロットに有利、大量生産は割高◎ 大量生産で低コスト化可能

UPTのフォトエッチング加工技術の特徴

どこよりも小さく・薄く・細く

UPTは小型・薄型化が求められるスマートフォンの精密部品においてトップシェアを誇る開発・製造販売の実績があります。難削材と呼ばれる材料や最薄0.004mm~最大2mmの厚みのある材料まで、様々な形状の加工に対応し、あらゆるアプリケーションにおける技術革新のパートナーとしてお役に立ちます。

高品質×低コスト×短納期の追求

UPTでは、お客様のご要望や市場の変化に対応するため、製品の性能向上やコスト削減を目指す新技術を日々研究しています。
また、国内工場で培った設備・品質管理体制を海外工場(タイ)にも導入し、国産品質での低コスト量産を実現しました。
さらに、500種類を超える豊富な材料在庫と試作専門チームによる迅速な対応で、短納期を実現しています。

安心の対応力(ワンストップ・ソリューション)

UPTでは、仕様設計から製作、メッキや機械加工などの追加工程が必要な場合でも、外部の技術サプライヤーとの調整と管理を行い、ワンストップにてお客様の様々な加工要求に応えることができます。様々な生産ニーズに合わせたワンストップ・ソリューションを提供することにより、お客様の生産効率を向上させることが出来ます。
また、国内外に対応可能な一貫した量産体制を持ち、日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語など、複数言語での対応が可能です。

フォトエッチング+拡散接合により新たな価値を創造

UPTでは、フォトエッチングと拡散接合の技術を組み合わせることで新たな価値を創造してきました。技術の組み合わせにより生まれる特徴や製造加工イメージについてご紹介します。

拡散接合サンプル

機械加工では不可能な立体構造
板厚0.5mm×10枚

拡散接合金属フィルター

微細メッシュを拡散接合で重ねた高アスペクト比の金属フィルタ
板厚0.05mm×1000枚

ステンレス拡散接合サンプル

複雑・微細デザインに対応
板厚0.1mm×7枚