熱のコントロールの精度が半導体生産効率を支える
半導体の微細化デザインが進むにつれ、その製造工程で熱のコントロールの重要性がますます高まっています。特に前工程では、熱のコントロールがスループットにも影響する重要なファクターになります。
現在のウエハーサイズは300㎜が主流ですが、そのウエハーに搭載された半導体チップすべてに対して、理想では均一に同タイミングで加熱させ、必要温度条件に達成させる必要があります。同一ウエハー上の温度差があればあるほど歩留まりに影響が出てきます。
一般的には半導体製造プロセスは複数の製造装置が連なり、ウエハーはロボットなどの搬送機器を通じて製造装置を行き来しますが、そこで活躍するのがヒーター内蔵型静電チャックです。
静電チャックは静電気を使い電化を移動させることで生まれる力を用いてウエハーを傷つけずに搬送しますが、最新の製品では静電チャックに加熱させるヒーター機能を持たせています。これによりウエハー面内におけるプラズマの密度の相違、冷却ガスの流れ分布の相違などに起因する温度ムラを制御し、均一に保つことができます。
ヒーター内蔵型静電チャック
静電チャックとは?
静電チャックとは、電気的な力で対象物を吸着させる機器です。対象物を機械的に掴むメカチャックや、吸着によるバキュームチャックなどがある中で、静電チャックの利点は『真空環境で使用できる』ことと『ワークを傷つけない』ことです。そのため静電チャックは半導体のような超精密機器製造工程には広く使用されているチャック(治工具)です。
静電チャックの仕組み
ウエハーを静電チャックに載せた状態で、内部電極に電圧を印加すると、ウエハー内のプラスイオンとマイナスイオンが分離し、+イオンが電極負極に、ーイオンが電極正極に移動します。すると、この静電チャックとウエハーの間で強いクーロン力が発生し吸着します。これが静電チャックの仕組みです。
ヒーター内蔵型静電チャックの構造
ヒーター内蔵型静電チャックの課題
半導体ウエハーの主流である300㎜のサイズに対して均一に熱を供給するため、ヒーターのデザインが重要になってきてます。ヒーターの材料となる金属箔の発熱量が増大傾向にあり、必要な発熱を得るための抵抗値を増大させるために、銅箔の断面積、経路設計がより複雑になるからです。また、固定するセラミックプレートとの兼ね合いで、一度のデザインで完了することはほとんどなく、細かな設計変更、製造、フィードバック検証の繰り返しが必要となるからです。
ご提案
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メリット
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