金属製LIDとは
トランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオードなど、多数の微細電子部品を一つの半導体基板上に実装し、複雑な演算処理や大量のデータの記憶を行うものを集積回路と呼びます。形態が数cm角程度の小片であるもの多く「チップ」(chip)と呼ばれることもあります。チップはそのままでは機能しませんが、その能力を最大限に引き出す役割を果たしているのが半導体パッケージです。半導体パッケージは、内部で発生した熱の放熱、外部からの衝撃に対する保護など多くの役割があります。チップ実装後は気密封し、チップ内のダイを保護します。その方法の一つが金属製LIDによるものです。
水晶振動子、SAWなどのデジタル素子は、スマートフォンなどに搭載されることが多く、衝撃などによる耐久性が求められます。そのため、セラミックでパッケージを制作し、金属製の蓋で封止をする方法でパッケージの制作がされてるものもあります。
金属製LIDの課題
金属LIDとセラミックなどの異材料との結合は、通常、金錫や銀ろうで行われます。封止を行う上での課題は、封止材のパッケージ内への流入を抑制しつつも結合力を保持することです。特殊メッキを施すことにより封止材を抑制するなど、さまざまな技術でコストの削減と封止品質の向上の両面での取り組みが行われておりますが、それぞれ特殊工程となるためコスト的には留意が必要です。
ご提案
UPTグループが製造するフォトエッチング加工による金属性LIDをご提案いたします。
メリット
- 封止強度を向上させる為に必要な複雑な加工が可能です。カットアンドトライプロセスを可能にする短納期対応です。
- 初期費用は版下代のみですので、複数の種類を試しながら最適な寸法出しが可能となります。
- UPTグループでは豊富な種類の材料を常に在庫しており理想的なLID制作が短納期で納品させて頂きます。
UPTのフォトエッチングによる金属製LID
金属製LID製品仕様例
金属種類:エッチングが可能な全ての金属
板厚:任意の厚みで対応可能(0.004mm~)
加工精度:<10%(金属板厚に対して)
表面処理:金メッキ等の表面加工可能
ポイント①
フォトエッチング加工標準納期は1週間
複雑な形状を実現する高品質金属製LID
高品質管理された金属箔の反りや歪を最小限に加工する高い技術で生産されるLIDは、バリ、ドロスなどの異物発生もない高精度な仕上がり。両面からのハーフエッチングも可能ですので複雑な形状を形成できる他、板厚の20%などの薄肉形状の成形も可能です。ご依頼いただいてから1週間の短納期製作が可能な点もフォトエッチングによる加工法のメリットです。
ポイント②
初期費用は版下代のみ
試作製作もお気軽にお試し頂けます
フォトエッチングは金型が不要なため、プレス加工など他の金属加工法と異なり、初期費用にかかるコストは版下代のみです。LIDの材料選定、寸法設定などで複数の製品を一度にご検討し、パッケージとの相性を見ながら最終的な仕様に落とし込む等の開発プロセスに非常に便利な工法です。
ポイント③
必要な材料は全て揃っています
当社では、材料種類、板厚を含め常時500種類を保有してます。例えばSUS304材を50μmを基準に5μmステップで5種類というオーダーも可能です。そのため、要求されるLIDの加工精度と強度の確認を複数の種類で一度にお試し頂くことが可能です。切削加工では難しいとされるコバールの選択も可能です。