フォトエッチング技術+拡散接合技術で創る搬送トレイ|複雑形状や微細加工に対応

搬送トレイとは

搬送トレイは、電子部品や半導体の運搬時に使用される専用トレイで、高精度な形状により部品を固定し、損傷を防いだり、製品ロスを減らし歩留まり率を上げる役割を果たします。
搬送トレイには静電気による損傷を防ぐための対策が施されており、耐熱性、耐久性にも優れた素材が使用されることが一般的です。工場の自動搬送装置との連携を考慮した設計がされており、効率的な運搬が可能です。これにより、電子部品や半導体の品質保持と生産効率の向上が実現します。
磁性を持つ材料を選択することも可能で、金属筐体への固定も簡易的にできるほか、耐久性も高く、長期使用にメリットがあります。固定後の洗浄工程、スパッタリング工程などの工程間移動の搬送用キャリアとしてもご使用いただけます。
UPTでは、フォトエッチング技術+拡散接合技術を組み合わせることで、複雑形状や微細加工に対応した搬送トレイを、お客様の使用用途に合わせて設計・製造しています。高精度かつ高強度の搬送トレイをお探しの方は一度お気軽にご相談ください。

治具トレイ

製造事例:電子部品向け搬送トレイ

フォトエッチング技術で加工した金属板を何層にも重ね、拡散接合技術による原子間レベルの接合を行います。これにより理想的なキャビティ部を形成することができ、極小の電子部品を安定して正しい位置に固定し、部品の振り込みや取り出しなどの生産効率を飛躍的に高めることに成功しました。

フォトエッチングと拡散接合で作製した半導体電子部品用治具トレイ

材料:SUS304
厚み:t0.8㎜(t0.2㎜×4枚積層)
外形:80㎜×90㎜
キャビティー数:12×16(192)
穴寸法
1層目 □2.1㎜×2.5㎜
2層目 □1.7㎜×2.1㎜
3層目 Φ0.15㎜
4層目 Φ0.25㎜

他工法との違い

当社で採用しているフォトエッチング技術+拡散接合技術による加工方法と他工法との違いは以下のとおりです。

切削加工品との違い

品質面では、複雑な形状の製作に限界があり、設計の柔軟性が乏しいため、理想的な形状によるトレイ製造が難しく、特に狭ピッチの形状に加工することには不向きです。価格面でも、バリ取り加工が必要になるためコストが増し、一つ一つの加工が必要なため多数キャビティのトレイ製作では更にコストが高くなります。また、量産効果を得にくい点も大きな課題です。

溶接加工品との違い

精度面では、材料を加熱し溶かす過程で材質に変化や変形が生じやすく、寸法精度を保つことが難しくなります。そのため、高精度が求められる部品の製造には不向きです。強度面では、溶接は物体の周囲のみを接合する方法であり、全体を均一に接合する拡散接合技術に比べ、接合部の強度が劣ります。