蒸着マスクの製造では微細な多段構造や多孔といった複雑な加工が必要となり、切削・レーザーのような物理的な加工方法では歪みや高コスト等の課題があります。UPTでは独自のエッチングと拡散接合の加工技術の組み合わせにより、これらの課題を解決。高精度・高品質な蒸着マスクの製造を実現しました。

蒸着マスクとは

蒸着マスクは、真空蒸着などの薄膜形成工程で任意のパターンを正確に基板上に成膜するための重要な製品です。電子部品や半導体、有機ELディスプレイの製造などにおいては欠かせない要素であり、高精細な電極パターンやサブピクセルを正確に形成するために使われています。

蒸着マスクの製造では、微細開口部を極めて高精度に加工する必要があり、熱膨張によるたわみや寸法変動を抑制する技術が必要とされます。数µm単位の加工精度を求められるとともに、製造工程での歩留まり低下などの要素が複雑に絡み合い、量産時の難易度が非常に高くなります。

蒸着マスク製造事例:高精度キャビティ&多孔加工を実現

蒸着マスクの製造において、各段差が数十µm単位の多段構造に加えて微細孔を多数持つ構造は、切削・レーザーでは歪みやコスト面での課題がありました。それに対し、エッチング加工と拡散接合の技術を組み合わせることにより、高精度かつ低コストな加工方法を提案しました。

お客様が抱えていた課題

  • 数十µmの非常に小さな段差が多数存在するキャビティ部を成形したいが、切削やレーザー加工では変形・歪みが起こりやすく、実現が困難。
  • 直径数十µmの微細孔を多数開ける必要があるが、通常の物理加工だと1孔ずつ対応せざるを得ず、コスト・工期が増大してしまう。
  • 積層した蒸着マスクをネジで固定していたが、組立タクトを短縮したい。
  • 蒸着時の熱膨張によるたわみがワーク戸の隙間が生じさせて、シャープな蒸着パターンの形成ができないうえ、寸法がばらつく。

UPTの提案と解決策

  • エッチング加工と拡散接合の組み合わせで、上記の課題を一括して解決。
  • 拡散接合による積層構造は、各段差の薄いキャビティ部を高精度かつ再現性高く形成でき、溶接と異なり接着層が発生しないため品質も向上。
  • エッチングでは、多数の微細孔を一度に加工できるため、コストと工期の大幅削減を実現。
  • 磁力による固定を実現、組立工数を削減。
  • 材料の見直しによる加工時の変形の抑制。

UPTの製造技術

UPTでは、要素技術であるフォトエッチング技術と拡散接合技術を組み合わせてさまざまな製品を開発・製造しています。2つの技術を組み合わせることで、他⼯法と⽐べ⾃由なデザイン設計が可能となり、より優れた放熱性能が実現できます。

フォトエッチング技術

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フォトエッチング技術は、エッチング液を使⽤して⾦属を化学反応・腐⾷させ、薄板⾦属の精密加⼯を可能にします。

拡散接合技術

拡散接合技術は、⾦属表⾯同⼠を原⼦レベルで接合し、内部が3D構造の⾦属パーツを⽣成します。