薄肉成形と高アスペクト比を特徴とするセパレータの製造事例をご紹介します。フォトエッチング技術と拡散接合を組み合わせ、0.05mmという極薄の流路幅、極小の流路ピッチに加工することで、長寿命化を実現しました。
セパレータとは
セパレータとは、物体や空間を分けるための仕切りや区分けする部品のことを指します。例えば、バッテリー内では電極を分離し、短絡を防ぐために使用される膜やフィルムがセパレータと呼ばれます。また、産業機械や製造工程においても、異なる材料や物質を分離する装置として使用されます。
セパレータの流路幅や流路ピッチを極小に設計することで、効率化や小型化といった多くのメリットが得られます。具体的には、流路幅や流路ピッチを小さくすることで、物質や液体の流れが最適化され、バッテリーや燃料電池においてはエネルギー密度や放熱効率が向上し、全体の性能が高まります。また、設計が精密であるほど、装置全体の小型化が実現し、設置スペースの削減や軽量化といった利点が生まれます。
製造事例:セパレータ
薄肉成形と高アスペクト比を特徴とするセパレータの製造に関する事例をご紹介します。フォトエッチング技術と拡散接合を組み合わせることで、0.05mmという極薄の成形を実現しました。さらに、0.4mm幅の流路を1mm間隔で配置可能とし、気体の効率的な移動を可能にしています。素材には耐腐食性に優れたSUS316L、チタン、アルミニウムを採用し、エッチング加工と拡散接合技術により長寿命化を図っています。
材料:SUS316L
厚み:0.4mm
流路幅:1mm
流路ピッチ:2mm
納期:2週間(試作)
加工方法:フォトエッチング+拡散接合
UPTの製造技術
UPTでは、要素技術であるフォトエッチング技術と拡散接合技術を組み合わせてさまざまな製品を開発・製造しています。2つの技術を組み合わせることで、他⼯法と⽐べ⾃由なデザイン設計が可能となり、より優れた放熱性能が実現できます。
フォトエッチング技術
フォトエッチング技術は、エッチング液を使⽤して⾦属を化学反応・腐⾷させ、薄板⾦属の精密加⼯を可能にします。
拡散接合技術
拡散接合技術は、⾦属表⾯同⼠を原⼦レベルで接合し、内部が3D構造の⾦属パーツを⽣成します。