自由自在なデザインと高速信号特性により、半導体テストの効率化や電子デバイスの高性能化を実現

異方性導電シート UHSS® とは

UHSS®は、特殊な繊維を編み込み、両面に貫通するめっきを施すことで、優れた性能を実現した先進的な異方性導電性シートです。
この製品の特⾧は、折り曲げても導通を維持する柔軟性、高度なカスタマイズ性、そして100GHzまたは200Gbpsに対応可能な高速信号特性が挙げられます。必要な通電荷重は1N/㎟と低く、さらに5万回の使用に耐える高耐久性を備えています(当社調べ)。


導電材質:銅・ニッケル・金
絶縁材:高性能プラスチック繊維

特徴

・両面導通仕様の厚さ0.05mmのコンタクトシート
・180°折り曲げ可能
・狭ピッチ/極小コンタクトポイント
(ピッチ:0.08mm~、コンタクトポイント□0.06mm~対応)

性能

・定格電流:3A/ ドット(1接点あたり)
・伝送速度:200Gbps@-1dB
・タッチダウン:5万回

項目仕様
ピッチ(Px)0.08mm~
ピッチ(Py)0.08mm~
厚み(T)0.05mm~
電極サイズ(L)□0.06mm~
製品サイズ(X)5.00mm~
製品サイズ(Y)5.00mm~

異方性導電シートUHSS®の特徴

自由なデザイン

導電性の部品に挟み込むだけで通電します。自由なパターンをシート上に形成することができますのでフレキシブル基板(FPC)の代替として自由な配線パターンが可能です。

省スペース

最小で新聞紙の厚みの半分の0.05mmから実装できますのでスペースが課題となるアプリケーションには最適。折り曲げ加工が自由なため、限られたスペース内での導通が可能です。

長寿命

独自材料と構造により、5万回のタッチダウンを達成。超薄型コンタクトシートでありながらタフな構造です。5万回後の抵抗値も安定しています。

高周波

超薄型ながら200Gbpsの高周波通信が可能。

低荷重

シート面積1mm2あたりの荷重はたったの1N※。
低荷重化により機器への荷重負荷は軽減でき、より安全性の高い設計が可能となります。
※コンタクトのストローク0.01mmの場合

狭ピッチ

最小コンタクトピッチ0.08mm

異方性導電シートUHSS®のアプリケーション事例

BGA半田ボールセーバー

UHSS®は、BGA半田ボールをプローブピンのコンタクトによるダメージから守る役割があります。
従来のワイヤやプローブピンに比べて柔軟性があり、折り曲げても導通を維持できます。曲面や狭いスペースに対応し、極小のデバイスやパッドに高密度接続が可能です。均一な接触圧により接続の信頼性が向上し、高速信号伝送に適しています。

PCBパッドセーバー

UHSS®は、PCBパッドセーバーとしても利用可能で、電子部品間の電気的接続、中継基板として機能し、高密度配線を実現します。
高速信号伝送に対応し、均一な接触圧で接続の信頼性を向上させます。これにより、高性能な3D ICやシステム・イン・パッケージの構築に貢献し、電子デバイスの品質と性能向上に大きく貢献します。

フレキシブル基板

UHSS®は、特殊な繊維を編み込み、両面を貫通するめっきを施した導電性シートで、自由なパターンをシート上に形成可能です。
この特性により、フレキシブル基板(FPC)の代替として利用できます。高い柔軟性と信頼性を持ち、狭いスペースや複雑な形状にも対応可能です。
これにより、FPCの課題を克服し、電子機器の高性能化と小型化に貢献します。

バイパスケーブル

UHSS®は、その高い柔軟性と信頼性により、バイパスケーブルとして利用可能です。特殊な繊維を編み込み、両面に貫通するめっきを施した導電性シートで、高速信号伝送に対応します。
従来のケーブルよりも軽量かつ薄型であり、狭いスペースや複雑な形状にも適応可能です。信号伝送の安定性と耐久性も優れており、様々な電子機器や通信システムにおけるバイパスケーブルとしての活用が期待できます。

OLED/液晶ディスプレイ

UHSS®は、OLED実装にも最適です。高速信号伝送に対応し、均一な接触圧で信頼性の高い接続を提供するとともに、狭スペースや曲面にも対応できます。
さらに、優れた熱伝導性により、OLEDの発熱を効率的に管理し、長寿命化に貢献します。これにより、OLED照明や液晶ディスプレイの高性能化とデザインの自由度向上に貢献します。

導入事例の紹介

導入事例①
BGA半田ボールセーバー(テストプローブピン)

【お客様が抱えていた課題】 
半導体ICファイナルテストにおいて、従来使用していたポゴピンなどのテストプローブピンの高加重により、BGA半田ボールに傷・凹みの発生や、半田への転写が問題となっていました。
【UPTの提案】 
プローブピンセーバーとしてUHSS®をテストプローブピンとBGA半田ボールの間に挟むことで接触の安定性を確保しました。さらに、ソケットの寿命の長期化にも成功しました。

導入事例②
BGA半田ボールセーバー(シリコーンラバーソケット)

【お客様が抱えていた課題】 
半導体ICファイナルテストにおいて、従来使用していたシリコーンラバーソケットでは、BGA半田ボールにシリコーンなどの異物が付着する問題が発生していました。
【UPTの提案】 
プローブピンセーバーとしてUHSS®をシリコーンラバーソケットとBGA半田ボールの間に挟むことで接触の安定性を確保しました。

導入事例③
PCB電極セーバーとして

【お客様が抱えていた課題】 
半導体ICファイナルテストにおいて、従来使用していたポゴピンなどのテストプローブピンでは、高加重によりPCBテストボードの電極に傷やダメージが発生していました。
【UPTの提案】 
プローブピンセーバーとしてUHSS®をテストプローブピンとPCBテストボードの電極の間に挟むことで、PCBテストボードへのダメージの発生を防ぎました。

導入事例④
凹み電極セーバーとして

【お客様が抱えていた課題】 
半導体ICファイナルテストにおいて、PCBや電子部品の電極がソルダーレジストやソルダーマスクの下に潜り込む凹み形状になってしまい、従来使用していたシリコーンラバーソケットではこの凹み形状に対応できず、接触ができない状況になっていました。
【UPTの提案】 
メッキ部分を高く盛り上げた形状のUHSS®を、凹み電極とシリコーンラバーソケットの間に挟むことで、接触の安定性を確保しました。